アルバイトしているのは留学ビザの学生だった!?

留学ビザでのアルバイトが「不法就労」になるケースもあるという事をご存じですか?

留学ビザの学生にとって時間の融通の利くアルバイトは魅力的で、実際にアルバイトをしている学生も少なくありません。

ですが、万が一その雇用が不法就労となった場合、その責任は雇用者にも及びます。

3年以下の懲役又は300万円以下の罰金又はその両方が課せられ、不法就労を知らずに雇用した場合でも適用される場合もあるのです。

じんじじんじ

前にしゃちょーが話していた外国人店員さん、本当に増えてますよね

しゃちょーしゃちょー

そうだな
我が社でも海外取引のメールのやり取りや簡単な通訳なら外国人のアルバイトを雇っても良いかもしれないな

じんじじんじ

アルバイトで雇用する際には留学ビザの学生さんが良いかもしれませんね

留学ビザとは

簡単に言ってしまえば文字通り「留学するためのビザ」。

つまり、日本の学校で勉強をする事を目的とした在留資格になります。

⇒ビザ・在留資格についてはこちらのページで解説しています

留学ビザでの対象になる機関は入管法により以下の様に定められています

入管法別表第1の4

本邦の大学、高等専門学校、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む)若しくは特別支援学校の高等部、中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教育学校の前期課程を含む)若しくは特別支援学校の中学部、小学校(義務教育学校の前期課程を含む)若しくは特別支援学校の小学部、専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動

また、日本の学校で学ぶために必要な能力など様々な要件も求められます。

留学ビザに求められる要件について簡単に説明していきましょう。

留学ビザの要件

日本語能力

教育機関によっては一定レベルの日本語能力を求められます。

教育機関とは具体的に、大学・短期大学・高等専門学校です。(外国語を使用して教育を受ける場合は除外されます)

審査に明確な基準はありませんが、審査要領によって日本語能力の目安が公開されています。

簡単に紹介すると以下の通りです。

大学・短期大学・高等専門学校において、日本語を使用言語として教育を受ける場合

日本語能力試験N2(2級)相当以上の日本語能力を有している事。

日本語能力試験N2の基準は、やや高度の文法や漢字語彙を習得し、一般的な会話や読み書きができる、中級日本語コースを修了したレベルに相当します。

大学の日本語別科又は日本語教育機関に入学しようとする者

日本語能力試験N5(4級)相当以上の日本語能力を有していること。

日本語能力試験N5の基準は、初歩的な文法や漢字・語彙を習得して簡単な会話ができ、平易な文や短い文章の読み書きができる、初級日本語コース前半を修了したレベルに相当します。

経費支弁能力

また、留学中に日本で問題なく生活できる経済力があるかの証明が必要となる場合があります。

これを「経費支弁能力」と呼び、留学に係る費用全般が対象となります。

学業が本分であり原則として就労は禁止されているため、収入を得なくても生活が出来る証明が必要になるのです。

年齢制限・学歴要件

義務教育制度は国によって内容が違うため、学校に通う生徒の年齢も様々です。

日本では義務教育の期間内は年齢と共に学年が上がっていくのが通常ですが、これも国によって制度が変わります。

そこで日本へ留学する場合、高等学校以下の学校には「小学校は14歳以下」の様な一定の年齢要件を設けています。

在留期間

在留期間はビザ取得の際に留学する学校への在籍予定期間を基準に決められます。

また、留学の内容や学校が適正校(不良留学生数が一定数以下)であるかなどの条件によっても変わります。

留学ビザの更新

在学中のビザの更新は「在留期間更新許可申請」となり、基本的に本人が申請しますが、学校が代理で申請する場合もあります。

通常は成績や出席状況に問題がなければ許可されますが、違法行為や留年、著しく成績が悪いなどの理由で「勉強をする意思がない=留学ビザの要件を満たさない」と判断されれば不許可になる事もあるので注意が必要です。

しゃちょーしゃちょー

留学ビザも条件が細かく決められてるんだな
N5とかN2なんて初めて聞いたぞ

じんじじんじ

あまり普段の生活ではなじみがないものかもしれませんね
でも外国人の日本語能力を計るときには一般的な指標になるんですよ

しゃちょーしゃちょー

英語検定〇級みたいなもんなのか?

じんじじんじ

ザックリ言ってしまうとそれで問題ないと思います

しゃちょーしゃちょー

在留ビザの更新なんて外国人本人が忘れてたら怖いな・・・
これもちゃんと把握しておく必要があるなっ!じんじが!

じんじじんじ

(もう全部私がやるんじゃないか)

留学生はアルバイトが認められている?

この様に留学生の在留資格は「日本の教育機関で教育を受ける」為に許可されたものなので、当然それ以外の活動には制限があります。

原則として留学ビザで日本の仕事に就く事は出来ません。

ただし必要な許可を取る事でアルバイトなどの就労が一部可能になります。

資格外活動許可が必要

その許可が「資格外活動の許可」となります。これを得る事で本来の在留資格の目的以外の活動を一部行う事が可能となるのです。

この許可は在留カードとパスポートに記載及びシールの貼付がされるので、雇用の際には必ず確認をして出来ればコピーを取っておきましょう。

ただし主な在留資格の活動は勉強ですから、次に紹介するように時間や職種など様々な制限があります。

アルバイトできる時間の上限

留学ビザでアルバイトが認められる時間は週28時間が上限です。

法定休日なども適用される為、1日の上限は5時間程度。また、複数のバイトを掛け持ちしている場合は合計の勤務時間になります。

ただし長期休業期間に限り、1日8時間以内週40時間まで上限が拡大されます。

この時注意しなければならないのが、上限時間が拡大されるのは「学則による長期休業期間」に限られるという事です。

夏休みなどの前後に休講が重なり実質の休業期間が延びても「学則による長期休業期間」でなければ週28時間以内が上限となります。

禁止されている職種

留学ビザでは風俗営業のアルバイトが禁止されています。

風俗営業とは風営法第「風俗営業」とされているパチンコ店や、ホステス・ホストのいる飲食業などいわゆる「夜の飲み屋」、性風俗関連特殊営業などになります。

インターンシップ

留学ビザの学生がインターンシップを行う場合も給与が発生すれば就業とみなされる為、週28時間などの勤務時間の上限が適用され、その時間はアルバイトと合算されます。

在学中に行う事が多い為学業と混同されやすいため、インターンシップを行っている学生をアルバイトとして雇う際は注意が必要です。

しゃちょーしゃちょー

アルバイトに時間制限があるのは知らなかったな

じんじじんじ

制限を破ると法律違反ですからしっかり会社で把握しておかなきゃいけませんね

しゃちょーしゃちょー

そうだな
さて、わしはこれから社会勉強にフィリピンパブに行ってくるから
あとよろしくな♪

じんじじんじ

(だから風俗営業のお店には外国人アルバイトは働いてないって・・・)

まとめ

留学生のアルバイトは許可を得れば一定の規則の範囲内で可能となります。

ですがその範囲は留学生自身も、雇用する企業も分かり難い部分も少なくありません。

ルールを破れば双方に大きな不利益となる不法就労にもなります。

そういった心配がある場合は知識の豊富な専門家へ相談がおすすめです。