コロナウイルスが外国人技能実習生に与える影響

2019年の年末から世界各地に拡がった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、現在日本でも大きな問題となりました。

政治や経済に大きな混乱を生んだコロナ禍ですが、外国人技能実習制度や特定技能に与える影響も大きく、現在受入先の企業や実習生など制度に係る様々な人が対処を迫られています。

実際に2020年の今年からは技能実習受入れ支援を行うことができない監理団体や送り出し機関が後を絶たず、現場は大混乱となっています。

また、サポート機関のみならず本当に大変なのはコロナ禍に巻き込まれてしまった実習生や特定技能で来日した外国人人材です。

今回の記事では、コロナ禍が外国人人材に与える影響とその対象法について詳細に説明をします。

専門機関のリンクもまとめているのでご活用いただけたらと思います。

しゃちょーしゃちょー

アワアワアワ
もうダメだぁ

じんじじんじ

しゃちょー、しっかりしてください!

しゃちょーしゃちょー

しっかりも何もないぞ!
この町でも中小企業がバンバン倒産してるんだからな

じんじじんじ

この問題は本当に深刻ですよね
外国人実習生にも悪い影響が出てないといいですけど・・・

新型コロナウイルス感染症が外国人人材に与える影響

2019年までは技能実習生は毎年20万人近く増加しており、昨年は19万人が来日しています。

在留外国人全体では293万人となり、これは日本の総人口に対して2%を占める割合です。

この増加率は著しいものがあり、今後もこの記録は更新されていくと予想されていましたが、コロナの影響により2020年からは増加率は大きく低下を始めました。

コロナ禍が影響を与えるステークホルダーは、技能実習生に関連するもので実習生自身、監理団体、送り出し機関の大きく分けて3者です。

技能実習生の現状

実習生はまだ日本に来日していないか、すでに来日しているか、研修が終了しているかの3つの状態に分けられます。問題は状況によって違うため実習生皆が同じと捉えてしまわないように注意が必要です。

まず、まだ来日していない実習生の来日が3か月以上遅れそうな場合は、技能実習計画軽微変更届出書の提出が必要です。これを提出しない場合は、入国できなくなる恐れがあります。

こういった提出物の差し忘れなどがあると在留資格の審査に影響があるため、心配な点があれば地方出入国在留管理官署に相談すると良いでしょう。

すでに来日を果たしている実習生は、コロナ感染の症状が出てしまった場合や技能検定の受験が困難になってしまう場合、予定していた計画通りに研修が進められない場合など様々な問題に直面する可能性があります。

来日している実習生に対しては専門機関よりガイドラインも提示されているため、このあと紹介するリンクを参照いただけたらと思います。

最後に研修が終了したり一時帰国する実習生の問題です。本国に帰国できないと認められる場合は、帰国できる環境が整うまで日本での短期滞在への在留資格変更が認められていたり、特定活動への変更が許可されることもあります。

こういった点も不明点があれば、実習生の居住地を管轄する地方出入国在留管理官署に相談するとスムーズに解決できます。

監理団体と送り出し機関の現状

技能実習生を監督する監理団体や送り出し機関は、現状では世界中ほとんどの国で新たな実習生を送り出す活動を停止しています。

これは実習生の本国によって政府の対応は違うのですが、2020年5月の現在では世界中のほとんどの国で入国制限を設けているので新たに入出国を行うことは通常困難とされているためです。

ただし、実習生が研修先でどのように対処したらよいのかアドバイスをしたり、受入れ企業に対する相談窓口としての機能はしているため、現状では来日している実習生へのサポートに徹しているところがほとんどです。

昨今ではテレワークが推奨されているため、仕事を遠隔で行うように調整したり、オンライン学習のサポートも業務の一部として行っている団体や機関も見られます。

しゃちょーしゃちょー

これだけ社会がロックダウンとか3密を避けるようにと言ってるんだから実習生にも影響は出ているな

じんじじんじ

そうですね
せっかく日本で技術を学ぼうと来日していてもこれだと頭を抱えてしまいますよね

しゃちょーしゃちょー

これは実習生だけじゃなくて雇ってる企業にとってもダメージだろ?

じんじじんじ

確かに・・・・
会社が大変なのはもちろん、どう実習生に関わっていくのかも課題に感じている会社は多いと思います

各専門機関による受入れ企業と実習生に対するお知らせまとめ

ここまで実際に発生する可能性が高い問題とその対処方法について大まかに紹介してきました。

しかし、現場ではより個別の問題も発生しており上記対策だけでは不十分です。

これから紹介するのは、技能実習制度に関連する各専門機関が今回のコロナ騒動に対して発表した内容のまとめとリンク集です。

皆さんが知りたい情報があるはずなので、ご自分が探している情報を取得してみてください。

技能実習生向け情報

OTIT 外国人技能実習機構
新型(しんがた)コロナウイルス感染症(かんせんしょう)について

やさしい日本語で対策を紹介しているのでまだ日本語の勉強をはじめたばかりの人でも情報を取得できます。

厚生労働省
外国人の皆さんへ(新型コロナウイルス感染症に関する情報)

各問題に対して具体的かつ詳細な対処法が紹介されています。

法務省
新型コロナウイルス感染症の感染拡大等を受けた技能実習生の在留諸申請の取扱いについて

具体的な手続き方法について書かれています。

受入先企業向け情報

JITCO
技能実習に係る新型コロナウイルス感染症関連情報

実習生を受け入れている企業の担当者向け情報です。自社でどのような対策を行うのが良いのか解説されています。

監理団体向け情報

OTIT 外国人技能実習機構
新型コロナウイルス感染症に関するよくあるご質問について(周知)

コロナ禍後の未来

残念ながらコロナウイルスによる影響は当分の間収まる気配がありません。

現在では突如発生した問題に、政府や専門機関も場当たり的に対処しているのが精一杯の現状で、数か月先には元のように毎年2万人の実習生が来日するということは現実的ではありません。

コロナ禍後に政府より出された主な対処法は2つだけです。

一つに、国民一律支給である特別低額給付金の10万円を実習生に給付すること。二つ目に、4月17日より実習生が異業種に変更できる様に法務省より発表されたこと。です。

今後も政府及び各専門機関から新たな発表がなされることになるはずなので、上のリンク先の更新を注意深く確認することが技能実習生に係るステークホルダーに求められます。