特定技能になるための日本語試験と技能試験

在留資格「特定技能」を取得するためには、外国人技能実習を修了するもしくは特定技能評価試験に合格する必要があります。

⇒特定技能についてはこちら

その試験にも日本語試験と技能試験があり、技能試験は職種ごとに試験内容も違っているので注意が必要です。

特定技能で来日する外国人も増えてきましたが、それでも技能実習と比較するとまだまだ少なく試験について良くわからないという声も耳にします。

今回は試験はどのように受験するのか、そして試験の中身について解説します。

しゃちょーしゃちょー

特定技能は試験を受けないとなれないのか~

じんじじんじ

技能実習から特定技能へ移行する場合は、受けなくてもいけるんですけどね

しゃちょーしゃちょー

普通は免除になるんじゃないのか?

じんじじんじ

中には技能実習とは別の職種に就きたい人もいますからね

特定技能測定試験とは

 外国人技能実習制度を利用して特定の分野を研修した者を除き、在留資格「特定技能」を取得するためには、特定技能測定試験の受験が必要になります。

この特定技能測定試験を免除される条件は、技能実習と特定技能の職種が一致しているということです。

技能実習で技能を習得していれば、その分野において一定以上の知識・経験を積んだと見なされるためです。

日本語試験についても同様の理由で試験を免除されます。

特定技能測定試験は、日本語能力と職種ごとの技能を測るための2つの試験が存在します。

一般的には2つの試験を合格して初めて、特定技能測定試験に合格したということになります。

日本語試験の内容

特定技能での日本語試験は2種類あり、どちらを受験しても構いません。

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)日本語能力試験(JLPT)についてそれぞれ紹介します。

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

ひとつは、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)という国際交流基金が行っている試験です。

「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」があるかどうかを判定する目的のために行われるもので、特定技能以外の目的でも受験されています。

テストの形式

テストは、コンピューター・ベースト・テスティング方式で行われます。

各国のテスト会場でコンピューターを使用して出題、解答します。

それぞれのブースで、コンピューターの画面に表示される問題やヘッドフォンに流れる音声を見聞きし、画面上で解答することになります。

テストの構成

「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4セクションで構成されています。

このテストの構成と各問題のねらいは、以下の図の通りです。

約60問が出題され、受験時間は60分間です。セクションごとの解答制限時間はありません。

セクション セクションのねらい カテゴリー カテゴリーのねらい
文字と語彙
(約15問)
生活場面で使用される日本語の文字が読めるか、基本的な語彙を持ち、使えるかを測る。 語の意味 語の意味を問う。
語の用法 語の用法を問う。
漢字の読み 漢字で書かれた語の読み方をひらがなで問う。
漢字の意味と用法 漢字で書かれた語の意味と用法を問う。
会話と表現
(約15問)
生活場面の会話に必要な文法や表現を使えるかを測る。 文法 会話の文脈に合った適切な文法が使えるかを問う。
表現 会話の文脈に合った適切な表現が使えるかを問う。
聴解
(約15問)
生活場面において、会話や指示などを聞いて、理解できるかを測る。 内容理解(社交的なやりとり) 情報交換や社交的なやりとりを聞いて、内容を理解できるかを問う。
内容理解(店や公共機関でのやりとり) 店や公共機関でのやりとりを聞いて、内容を理解できるかを問う。
内容理解(指示、アナウンス) 指示やアナウンス、音声メディア等を聞いて、内容を理解できるかを問う。
読解
(約15問)
生活場面において、手紙や掲示、説明などを読んで、理解できるかを測る。 内容理解 手紙やメッセージなどの短い簡単なテクストを読んで、内容を理解できるかを問う。
情報検索 日常の看板や掲示、資料などから必要な情報を探し出せるかを問う。

レベルの目安

このテストでは、CEFR、JFスタンダードのA1-A2レベルのCan-doに基づいた問題が出題され、「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4セクションから総合的に日本国内での生活の場面で求められる日本語のコミュニケーション能力を測定します。

就労のために必要な、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」の目安として、A2レベルの一定程度の日本語力を持っているかどうかを判定します。

A2レベルの目安は以下の通りです。

・ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。
・簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。
・自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる。

日本語能力試験(JLPT)

もうひとつは、日本語能力試験(JLPT)です。

日本語能力試験は、日本語を母語としない人の日本語能力を測定する試験として、国際交流基金と日本国際教育会が1984年に開始しました。

この試験も国際交流基金日本語基礎テストと同じように、日本語を母語としない人を対象に、日本語能力を測定し認定することを目的としています。

3つの試験

この試験では、日本語の文字や語彙、文法についてどのくらい知っているかということだけでなく、その知識を利用してコミュニケーション上の課題を遂行できるかということも重視しています。

そのため、言語知識、読解、聴解、の3点を測る試験となります。

レベルの目安

特定技能に合格するためには、N4レベルが必要となります。

N4とは、日常生活でも身近な話題の文章を読解できることや、ゆっくりとした会話であれば内容がほぼ理解できることができるなどの基本的な日本語を理解できるレベルとなります。

技能試験の内容

特定技能では、受入れ職種で仕事が問題なく行うことができる技能レベルが求められます。

技能試験は一律ではなく、職種ごとに分かれているため、受け入れる職種ごとの試験を受験する必要があります。

各職種ごとの試験については、法務省ホームページで詳しく解説されています。

法務省 試験関係

それぞれの試験の省庁の管轄や名称についてはこちらの表を参考にしてください。

出典:法務省 特定技能制度の施行状況について

しゃちょーしゃちょー

試験もいろいろあってややこしいな

じんじじんじ

確かに・・・

じんじじんじ

特に技能試験が職種ごとに違っているところがやっかいですね

しゃちょーしゃちょー

ワシはやらんからいいけど

しゃちょーしゃちょー

じんじ、ふぁいと(ハート)!

じんじじんじ

私だってわかりませんよ~

じんじじんじ

組合さんにサポートしてもらいます

まとめ

・在留資格特定技能は同じ職種なら試験を免除される
・特定技能は、日本語と技能の2つの試験を合格する必要がある
・日本語試験は国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)と日本語能力試験(JLPT)がある
・技能試験は、職種ごとに違っているので対象となる試験を調べて受験する