我が国の外国人技能実習生は年々増加しており、2019年時点で410,972人が技能実習生として来日しています。
これは2007年の12年前の89,033人と比較して、4倍以上となります。
そんな急増している技能実習生の中でも、特に話題となるのがベトナムからの実習生です。
今回は、どうしてベトナム人技能実習生ばかりが目立っているのか、他の国々から実習生の特徴はどのようなものか紹介したいと思います。
最近は外国人労働者の方が増えましたよね
そうだな、知り合いの社長たちもベトナム人を入れたってよく話してるからな
ニュースでも実際に見かけるのもやっぱりベトナム人がほとんどって感じしますよね
確かにな
でも、なんでベトナムばかりなんだ?
しゃちょー、それには理由があるんですよ
実習生の送り出し国はどんな国?
外国人技能実習生は、特定の国に限らず世界中の送り出し国から来日します。
先進国から来日するケースは無く、実習生のほぼすべてが途上国からとなります。
これには協力覚書を交わした、15か国が対象となっています。
2019年時点では、ベトナム、中国、フィリピン、インドネシア、タイの順に割合が大きいことが下のグラフからわかります。
上のグラフでは6.6%がその他と表示されていますが、これにはインド、インドネシア、ウズベキスタン、カンボジア、スリランカ、ネパール、バングラデシュ、ペルー、ミャンマー、モンゴル、ラオスを含みます。
すべての送り出し国を見てわかる通り、送り出し国はアジア地域に限られます。
技能実習生の増加ペース
冒頭でお伝えした通り、外国人技能実習生は年々増加傾向にあります。
2007年から2019年の12年間で4倍になったとお話した通り、凄まじい伸びです。
ただ、一つ注意していただきたいことは、技能実習制度ができる前までは在留資格「研修」という研修生が全体の半分を占めていた点です。
2007年は88,086人の研修生も含むと合計で177,119人となります。
こういった比較をすると、12年で実習生は2.5倍程度の増加ということがわかります。
なぜベトナム人実習生だけが話題に上がるのか
ベトナム人技能実習生が何かと話題になるのは、いくつか理由があります。
その中でも最も大きな理由が、実習生全体の割合の多さです。
さきほどのグラフでも紹介した様に、ベトナム人は全体の53.2%でおよそ半分を占めています。
2番目の中国が20.0%で全体の1/5ということを考えれば、外国人技能実習生=(イコール)ベトナム人と捉える人が多いことも納得がいきます。
メディアではベトナム人実習生が犯罪に関わることが多いという報道がされていますが、それは正確ではありません。
確かに、一部のベトナム人が事件を起こしてしまうこともありますが、それはどことは言いませんがその他の国からの実習生が起こしてしまう犯罪率と比較した場合、低いものとなります。
つまり、ベトナム人はよく犯罪を起こすということは間違っており、全体の割合が多いために他の国よりも犯罪が目立って報道されるという表現が適切です。
また、メディアも中国人技能実習生やフィリピン人技能実習生など様々な国の実習生が起こす犯罪よりも、より馴染みの深いベトナム人に絞って報道した方が数字を稼ぎやすいという点からも、ベトナム人が起こす事件を積極的に取り上げていることが考えられます。
ベトナム人が○○事件を起こしましたと報道すれば、視聴者は「また、ベトナム人か」と共感が得られやすいですからね。
これを、カンボジア人実習生が○○事件を起こしましたと報じても「ふーん」と思われるだけで、そのネタは相対的に価値が低く扱われてしまいます。
つまり、ベトナム人の割合が圧倒的に多いから話題に上ることが多かったということなんですね
ニュースでベトナム人ばかり取り上げるのも、そういう理由だったのか
そもそもベトナム人は宗教観も日本人と近いですし、親日国として友好関係を築いている良い国なんですよ
うんうん、ワシも一回ベトナムに行って豪遊してみたいわい
(しゃちょーの頭の中は遊ぶことしかないんだから・・・)
まとめ
・外国人技能実習生は年々増加している
・ベトナム人技能実習生は全体の半分以上を占めている
・15か国の協力覚書を交わした国から外国人技能実習生として来日している
・メディアの報道によってベトナム人がクローズアップされている